どんな環境にいても、意味を見いだし、逃げない人生を貫く!

菊池ダニエラ(ベネズエラ出身)

早稲田大学3年生のヘン・ウカです。今まさに就職活動中なので、日本の就職活動や、外国人として、日系企業で働く難しさなど気になる事全て聞いてきました。

『三ヶ国で生きた人生』を伝えきって、日系大手自動車メーカーから内定を掴む。

───母国がベネズエラとお聞きしましたが、ダニエラさんが日本を訪れた経緯を教えて頂けますか?

菊池・ダニエラさん(以下、ダニエラ): 元々ベネズエラ人が通う現地の幼稚園に入園し、その後、小学校一年生から五年生まで日本人学校に通いました。日本人学校では同級生が日本人ということもあり、快適に過ごせて居たのですが、経済的な問題で転校しなければならず、小学5年生から中学2年生まで現地学校で学ぶことになりました。

現地学校では、同級生は皆ベネズエラ人。言語の壁や異文化に慣れる事に対し、疲れてしまい、鬱病になってしまいました。

友達は笑顔ではしゃぐ中、そんな風になれない自分が情けなく、泣く日もありました。

そんな中でも、むしゃらに勉強し、最終的にうつも乗り越え、そのタイミングで突然両親から「高校から日本で頑張ってみる?」と言われ、日本への渡航を決意しました。

高校卒業後、日本の大学に進学し、在学時にはアフリカのガーナ大学に交換留学しました。

───高校生にして壮絶な人生を歩まれていたのですね。ダニエラさんが就職活動時に、志望していた業界はどこですか?

ダニエラ: 自動車業界と総合電気業界です。

総合電気メーカーは全部エントリーシートで不合格でした。

おそらく当時の自分は文章力が無かったので、ひどいエントリーシートを書いていたんだと思います。笑

───留学生にとってエントリーシートほど難しい物は無いですよね…。今の勤務先から内定を頂いた理由は何だと思いますか?

ダニエラ: 自分の価値観と勤務先企業の価値観がマッチングしたからだと思います。

私の人生はベネスエラ、日本、ガーナで構成されています。これで一人の自分。

それにも関わらず、就職活動の面接は、大体が大学時代の経験について。

でも、大学時代の一つの経験で自分自身を語りきることなんてできないと感じていたし、それがすごく嫌でした。

そんな中、勤務先の一次面接であなたのことを知りたいので、何でも話してくださいと言われ、本当に嬉しくて、20分間ずっと話しました。笑

面接後、企業ホームページを見ると、人間を大切にする理念があることを知って、人間らしい良い会社だと確信しました。

───就活中の時に、不安なことはありましたか?自分は特に面接ですごく不安になることがあります…。

ダニエラ: 日本の就活を経験して言えるのは、会社を選ぶということは結婚相手を選ぶのと同じ。自分と企業の性格が合えば通過するし、合わなければ離婚するように、面接も通過しない。

あるトラックメーカーの面接で、「最後に言いたい事はありますか?」と聞かれ、言いたいことはたくさんあったから、立て続けに話しました。笑

でも、明らかに途中から反応がわるくなっていって…。案の定その面接は落ちました。本当に傷ついたし、悔しかった。でも、後から考えてみると、その会社とは相性や性格が合わなかっただけなのかなと思います。

もしその企業に内定を貰った入社していたとしても、その後苦しんでいたと思う。だから、面接ではありのままの自分を出していかないと、自分に合った会社に入ることはできません。

ベネズエラ、日本、ガーナでの壮絶な人生を情熱的に語ってくれるダニエラさん。(写真右)

日本企業の文化にもがきながらも、働き続けることで学んだ日本企業の極意。

───現在、担当されている仕事では英語やスペイン語を使われますか?

ダニエラ: 部署にもよると思うけど、今の部署は海外営業だから、よく使います!

海外営業だと海外拠点と連携を取るから、英語を使う機会は多いです。

───やはり、海外営業は語学を使う機会に恵まれていますね。これまでの担当業務は何ですか?

ダニエラ: 最初の2年間は国内営業としてトレーニー(職業などの訓練を受ける人。研修生。)に出ていました。その後の、6年間は海外営業として世界拠点の仕事に従事しています。

最初の担当はアフリカ・中東の二輪で三ヶ国貿易。日本市場担当や中南米の現某担当、企画。

そして、今はアフリカ・中東地域の企画(西アフリカの開拓など)を担当しています。

───日本にいてもグローバルな働き方をされていて、羨ましいですね。実際に、日本だけで無く、海外出張も経験されましたか?

ダニエラ: 昨年、初めて海外出張できました。

海外出張にいける時期は人によって異なりますが、普通の人は3〜4年目で海外出張にいけます。

私は入社7年目で初めて海外出張なので、遅すぎますね。

───ダニエラさんのような社員こそ、いち早く海外出張を経験できると思いますが、なぜそんなに遅れたのですか?

ダニエラ: 日本人とのコミュニケーションを上手にできなかったからです。

日系大手なので、日系企業の文化が強く、礼儀はもちろんのこと、飲み会も多いです。

でも、私は私の中での当たり前であった、自分の思ったことは口に出して主張したり、飲み会などには参加しないスタンスを貫いていました。

そんなことをしていると、上司には気に入られず、昇進も海外出張も遅れました。

同期入社したインド人男性社員もミスコミュニケーションから好かれていませんでした。

彼は非常に優秀だったのにも関わらず、上司から振る舞いが失礼だと言われ、その後は無視されていたり…。

───今のお話は私が入社後に一番心配していたことです。多くの留学生もその点について、もっとお聞きしたいと思うので、後ほど詳しくお聞きします。今の部署ではとても楽しそうに働かれていますが、これまで社内における価値観の違いなどにぶつかった際、どのように乗り越えられてきたのですか?私自身、これから日本企業で働く身として、お伺いしたいです。

ダニエラ: 必要な事は忍耐力。新入社員は必ず、コピー機の故障、飲み会のセッティングなど雑務から始まる。

でも、こういう細かい小さなことも適切に実行してくれる人が、信頼されて、昇進していくと思います。

だから、忍耐力を持ってやることが大切。

転職という選択肢もあるけど、転職を繰り返しても、悩むことはあまり変わらないと思います。

───日本企業で働いく上で良いなと感じた点はありますか?

ダニエラ: 外資系企業と違い、日本企業では先輩を始め多くの人が助けてくれます。

大きなミスをしても、上司が守ってくれるケースはよく見ます。

最初の3年間はミスをしても首になることは無いから、色んなことに挑戦してもらいたいですね。

───ありがとうございます。8年間の勤務を通して、成長したと感じるところを教えて頂いてもよろしいでしょうか?

ダニエラ: 業務の面では、海外営業として海外で事業を展開する際の、契約、パートナー探し、発注、財務政策などなど多くのことを学びました。

あとは、日本人社員とコミュニケーションを取る上で気をつけるべきことです。

先ほども言ったように、昔の私のように自分の思ったことを何も考えず言ってはいけない。

例えば、ある図を用いて作成した資料を上司に見せると、全く良く無いから変えてと言われたことがあって。

数日後、他の社員が私の使っていた図を用いて資料を作成し、同じ上司に見せると、良い資料と言われる。

さらに「なんで菊池さんはこの図を使って資料を作らないのか?」と言われました。

その時に、「いやいや、前その図を使って資料作成したけど、良く無いって言いましたよね?」って言う事もできる。

でも、今はそういう時もスルーします。そこで楯突いてもしょうがない。言いたい事を言わない時も大事なんだな思ったので。

そして、改めて日本の素晴らしさに気づくことができました。

たまに、上司でもすごく謙虚な人が居る。そのような方が色々な場で謙虚に感謝の言葉を仰る光景を目にすると、堅苦しいと思うかもしれませんが、日本独自の表現方法は素晴らしいなと思います。

メールの文章を見ても、上司の文章からは思いやりを感じられる。

海外ではメールは簡潔に簡素な文で十分なので楽でいいけれど、人への思いやりを感じられない文章になりがち。

飲み会のセッティングもめんどくさいけど、それも思いやり。

そのような素晴らしさに気づくことができると世界で通用する人間になることができるのではないかと思います。

ダニエラさんの仕事内容について聞く、就活生のウカさん(写真左)

起業家として、成長させてくれた『アフリカに恩返し!』

───本当にダニエラさんしかできないような経験をされてきて、将来の夢がとても気になります!

ダニエラ: 自分のやりたいビジネスについてもっと勉強をして、自分を成長させてくれたアフリカに恩返しをするために、アフリカの地で起業をしたいです!

───起業はいつ頃からやりたいと考えていたのですか?

ダニエラ: 中学校の頃から漠然と起業して、成功したいと感じていました。

といううのも、中学校の入覚市で校長先生が「この世は競争社会で、勉強をしないと、社会でても成功できない!」などなどと言われて、起業して成功したいなと感じました。

それに加えて、本当に人の言いなりになるのは嫌なので、これからは自分らしく生きる!!!

自分らしく輝いた上で成功したいですね!!!

───ダニエラさんのお話をお聞きして気になるのが、なぜ辛いと思った時に今の勤務先を辞めなかったのか?ということです。外国人であるならば転職は当たり前のように思えるのですが、今の勤務先で頑張り続ける理由は何ですか?

ダニエラ: 私は自分なりに逃げない人生貫きたい。

小さい頃、鬱になったことを両親のせいにして逃げてしまったんですね。

でも、私の知らないところで泣いてくれる両親を知って、両親のことを責めるのはすごく申し訳ないなと思ったし、周りのせいにして逃げずに、自分自身のことは自分で責任を持って打ち勝ちたいと思いました。

だからこそ、何が合っても意味のあることだと考え、粘り強く逃げずに頑張ってきました。

地味でも、同期の中で一番遅い昇進でも、海外営業に6年間もいるのに初めて海外出張に参加したのが、去年だとしても。

そんなこと恥にも思わず、私は私らしく進んでいきたいです!!

───ダニエラさん、格好良すぎます…!!
本日は貴重なお話を聞かせて下さり、ありがとうございました。

ダニエラ: こちらこそ、ありがとうございました!

就職活動頑張って下さい!

笑顔で過去の体験を話す、ダニエラさん。

取材を振り返って...

笑顔で語るダニエラさんだが、過去の経験を聞く限り、涙に咽ぶ夜もあったのではないだろうか。それでも、忍耐力を持ち続け働き続けたダニエラさんのこれからの新たな挑戦が楽しみである。

取材日
2017年04月28日
インタビュー
早稲田大学3年 ヘン・ウカさん(出身国:中国)
撮影
市丸征嗣(EACHアシスタント・コーディネーター)

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