日本人と外国人の間に立って痛感した、外国人社員にとって必要不可欠な日本語力

王也(中国出身)

大学院で経営学を学ぶソウコウゲンです。広島で長年頑張る、中国人起業家、王さんに今までの人生、起業をする上で困難なことについて聞いてきました。

日本の大学で4年半かけて博士号を取得し、波乱の就職活動へ!

───そもそもなぜ日本に留学をしようと思ったのですか?

王也さん(以下、王): 日本に来た理由は二つあります。

一つ目が、もともと中国の大学の専門があまり好きでは無く、専門を変えたいと思いました。二つ目に、日本人に対して漠然と興味が湧いていました。

というのも、当時、私は英語にも興味が有り、日本人が書いた英語の勉強方法を教えた本を読み、その内容に感動し、新しい視点から物事を考えようとする日本人に興味を持ち始めました。

日本の大学はおじさんに紹介してもらい、留学先を決めました。

───色々な興味から決めた日本留学だったのですね。大学卒業後に就職活動をしたのですか?

王: 学士取得後、自分自身の専門性や実力が日系企業で働くには不十分だと感じたので、修士課程に進みました。

その後、就職活動をする予定だったのですが、私が修士課程を卒業する段階で博士課程が新設されるとのことで、その一期生になって欲しいとの要請を頂き、結局は博士号まで取得していました。

───博士課程はどのくらいいたのですか?

王: 普通は3年間ですが、僕の場合は4年半でした。

当時、すでに37歳になっていました。しかし、博士課程を終えると教員になることができると予想していたのですが、ちょうど教員ポストが空いておらず、やむを得ず就職活動をしなければならなくなりました。

───当時、新卒で入社した会社はどのように探されたのですか?

王: 時代が違うので、今とは違うかもしれませんが、私は主に大学の就職活動支援センターを利用していました。

数社受けたのですが、日本人と比べ、語学力などで劣っていたことから、不合格の通知しか来ませんでした。

───就職活動で大切だと思うことはありますか?

王: 自己分析がとても大切だと思います。

自己分析を通して、自分の強みを明確にすることで、自分が企業に提供できる価値を面接の場で言えます。

───これまでにどのような仕事を経験してきましたか?

王: 大学生時代の頃から、居酒屋の厨房や新聞配達、高校の非常勤講師などアルバイトはたくさんやりました。

日本語を上達させるためには、必ずアルバイトを経験した方がいいと思います。

法律で学生ビザでも週の規定時間なら働けるので、早く日本語習得したいのなら、アルバイトをしてください!

当時の就職活動について語る王さん。

中国からの実習生サポート事業から見えた、留学生が日本企業で勝つための方法。

───大学卒業後、最初の仕事は何でしたか?

王: 中国の実習生(出稼ぎ)の指導やお世話をする仕事を担当しました。

───日本語もままならない人に日本文化やルールを教えるのはとても難しそうですね。具体的にどのようなトラブルが起きましたか?

王: 当時、受け入れ先日本企業の日本人が実習生をモノのように扱っていました。

実習生もそのような扱いを受けると、不満が溜まってくるので、ストライキや帰国などもたくさん起きていました。

10人ほどの実習生がボイコットして、仕事をやりたくない!と言い出しました。

そこで、受け入れ先企業や実習生と話していくうちに、お互いが言っていることを誤解し、悪い状況になっていることに気がつきました。

ほとんどの問題は誤解から生じています。

実習生は日本語を勉強していないので、コミュニケーションを取ることも出来ず、自分の言っていることと自分の言いたい事が違うかもしれません。

この問題は留学生全員に言えると思います。

十分な語学力の無いままに、日系企業に入社してしまうと、誤解が生じる場合があると思うので、そこは気をつけてください。

───日本語能力はどのくらいあれば日本企業でも無理なく働くことができますか?

王: 留学生はJテスト(BJTビジネス日本語)900点、無いといけないです。

よく、Jテストの下である、N1 N2(日本語能力試験)に合格して、浮かれている留学生を目にしますが、N1 N2は基礎の基礎。ベーシックです。

それだけでは、日本企業で働くのは難しいです。

Jテスト900点以上取りましょう。

───日本語能力を十分に身につけることの重要性は理解しました。日本企業で働く際に、日本語能力以外で気をつけるべき事はありますか?

王: 日本文化です。企業文化はどういうものなのか学ぶ事が大切です。

特に日本人はモノや人への行動基準が根付いています。

例えば、モノに対する行動基準が5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)

人に対する行動基準がホウレンソウ(報告、連絡、相談)です。

このような日本文化を知り、慣れることが大切です。

王さんが経験してきた仕事内容について夢中になって聞く、ソウさん。

後悔しない人生を送る決意をさせてくれた父の存在。起業という新たなステージに!

───今は自習生のサポートを辞めたと聞きましたが、今は何をやられているのですか?

王: 今は起業をするための準備をしています。

───起業ですか!?起業をするためのビザは大丈夫ですか?

王: 近年、ビザの規制が緩和されたので、日本で外国人の起業はとても流行っていると思います。

特別人材なら1年で永住権を申請できます。

───留学生からすると日本人社員と仕事をする上でコミュニケーションを取る事が結構、難しいかなと思うのですが、どのように乗り越えていけばいいと思いますか?

王: 最初の1〜2年間はストレスが溜まると思います。

やめようやめようと思いながら、辛いなと思う事も有ります。

でも、だんだん慣れてくるので、我慢することが大切です。

辞めるのは簡単だけど、数年で辞めるのは日本の労働市場ではリスクになるので、できるだけ避けた方がいいと思います。

───日本で起業をしたいと思う、留学生に何かアドバイスを頂けないでしょうか?

王: やはり、日本の文化を分かってもらいたいですね。

日本では本音と建前があるので、相手の言葉の中には本音が隠れています。

その言葉の背景を知ることで、本音を理解できると思います。

そして、分からなければ、周りに居る日本人に聞けばいいんです。

───今までの人生で印象深いできごとはありますか?

王: 3年前の父の死が私の中で、ターニングポイントです。

何か悟ったような気持ちになりました。

「人生には大事なことは生・死以外、何もたいしたことは無い。どんな悩みが合っても、大丈夫だ。」
 
だから、生きているうちは自分がやりたいと思う事は、やる。

死ぬ時には後悔しないようにやる。

自分のお父さんは自分のやりたいことをやっていたので、自分も父のようになりたい。

だから、生と死以外はそんなに大変では無いので、最後までやりきる。

王さんの夢について話を聞く、ソウ君。

取材を振り返って...

王さんが外国人実習生のマネジメントを通して、痛感した日本語能力の大切さを改めて感じさせて頂きました。日本企業で活躍するためには、まず日本語能力を付ける事。自分はこれから就職活動を迎えるので、それまでにJ1取れるように頑張ります。

取材日
2017年05月12日
インタビュー
広島市立大学院1年 曹 こうげんさん(出身国:中国)
撮影
市丸征嗣(EACHアシスタント・コーディネーター)

FindOut Japan 公式LINE

留学生の就活情報や留学生活に、
役立つ情報を無料で配信中

LINE
LINE公式アカウント

メルマガの内容はFindOut JapanのLINE公式アカウントからでも配信しています。
直接ID検索:@nqt9261p(名前:FindOut Japan)

QRコード